一年365枚 2017

アクセスカウンタ

zoom RSS シベリウス 交響曲第7番 / カラヤン ベルリンフィル

<<   作成日時 : 2006/07/16 00:11   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 5 / コメント 8

完璧な調和。磨きぬかれたアンサンブルと音色。カラヤンとベルリンフィルだけが到達出来た精巧で、壮大なフィンランドの森を描いた風景画です。

カラヤンという人、一見レパートリーはもの凄く広いようですが、実は、得意・不得意・・というか本気とそうでないときの差が、現在残されているアルバムなどでも、結構あったのではないかと感じたりします(あらあら、最初から偉そうに言ってしまいましたね>私)。
アラ探しをしても仕方がないので、私の彼の良い演奏=本気のカラヤンさがしにおける仮説を披露させていただきたいと思います。何を今更という方は、素人のたわ言と読み飛ばしてやってください。

1. なぜか、その曲の録音ばかりがやたら多い→
チャイコフスキー《悲愴》、ブラームスの交響曲、《ドイツ・レクイエム》など、どれもが何かを感じさせるものが多いように思います。得意というよりは、節目節目での新たな解釈の見直し、挑戦という意味もあったのかもしれませんね。

2. 実力のあるソリストとの競演→
ロストロポーヴィッチとの《ドヴォコン》やリヒテルとの《チャイコン》。
極めつけは、オイストラフ・リヒテル・ロストロのベートーヴェンの《トリプルコンチェルト》。
明らかに対抗意識がプラスに働きます。

3. オペラ→
入念に人選され、周到に用意されたオペラに関しては、指揮も気合が入っていて、成功例が多いと思います。

4. 1回か2回しか録音していないもの、そして、数曲作曲されている作曲家の交響曲のなかから交響曲全集ではなく、なぜか単発で録音されるもの→ 
オネゲルの交響曲、ショスタコの10番、ニールセンの《不滅》、シェーンベルク・ベルク・ヴェーベルンなど、純粋にカラヤンの音楽的興味をそそって、1、2回の録音で本人も満足したのではないかと推察しています。

5. “ここぞ”というときのライブ→
例のベルリンフィル100周年コンサートでの《英雄》のライブのように、期待されたときに必ずホームランを打ちます(例えが古いですが、かつての“長嶋 茂雄”みたいなもんでしょうか)。

と、こんなことをつらつら書いてみましたが、今宵は、比較的得意としていたようなのに、なぜか1度しか録音しなかったシベリウスの交響曲の第7番について書こうと思います。シベリウスについては、3番のみ正式な録音がなく、7番は1回、その他は複数回録音しています。1回しか録音しなかったのは、どういうことだったのでしょうか。1回が満足だったのか(上の4番説、もしくは、1回録音して自分の肌には合わないと思ったのか・・。)
本人が好きだったどうだったか解らないのも“しゃく”ではありますが、この演奏、この曲の代表的名盤です。まあ、カラヤンのシベリウスは、どれも絶品なのですけれど。

曲、演奏の話へ進みましょう。大体20数分くらいの単一楽章、《タピオラ》という同規模の大きな幻想的な、筋があるようなないようなものを交響詩とし、この7番が、交響曲になったのかは、まあ、明確な理由はないようですが、曲全体をソナタ形式でつくられた、とみる見方もあるようです。

ティンパニの静かな音に続いて、弦の低音からの音階で曲は始まります。幻想的な木管と弦との応酬。ため息のでるような美しい曲想。2分前からの低弦のピチカートにのったフルートの歌素晴らしいです。このときのフルート誰でしたっけ(ベルリンフィルはいつでも最高のフルート奏者のいるオケですからね。)。続く聖歌のような弦の動き、4分半くらいからそれが、ピチカートを伴った深々とした歌ととなって頂点をつくります。そして金管に洗われる浪々とした旋律。
8分15秒すぎのオーボエと弦の作る世界は森の神秘を表すようです。
オーボエの旋律はフルートなどに引き継がれても美しいです。
そのあと3分ほどの波乱のあと、森全体がかき乱されてしまったなカオスを表しているようです。
でも、その後は、自浄作用で色々な美しいメロディが美しく流れ出します。
激しくも盛り上がるところもありますが、カオスの世界ではありません。森や自然、神々を讃える賛歌といった面持ちといったら良いでしょうか。
ことにフィナーレは最高の盛り上がりです。

およぞ、“平和”とか“幻想”とか“メルヘン”とか“深遠さ”とか・・そういった言葉が全て含まれている、本当に懐の深い音楽を、弦の1筋のフレーズから管の1粒の音まで、命を吹き込んだこのカラヤン、ベルリンフィルの演奏・・。
大都会(というか猥雑な)東京に居て、フィンランドの森の息吹を感じることが出来る贅沢。


シベリウス 後期交響曲選集 / カラヤン ベルリンフィル@HMV



人気blogランキングへ
音楽ブログランキングへ
にほんブログ村 クラシックブログ

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(5件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
クルーゾー監督作《新世界より》「勝手にカラヤンの日」KKDS243
クラシック音楽ブログ共同企画  「勝手にカラヤンの日」(きょうは命日ですね) テーマDVD  《カラヤン/クルーゾー 指揮の芸術4》 アントニン・ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調作品95《新世界より》 指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン 演奏:ベルリン・フィ ...続きを見る
まぁちゃんのクラシック音楽覚書き
2006/07/16 22:17
カラヤンのレコードの想い出〜「勝手にカラヤンの日」
私がレコードを聞き始めた頃はすでにカラヤン全盛といっても良い時代でした。 当時は、FMのスポットCMによくクラシックの新譜の宣伝が流れたが、記憶にあるのはみんなカラヤンのものでした。 ...続きを見る
★ 音楽と季節の記♪ ☆
2006/07/17 23:19
プッチーニ 歌劇《トゥーランドット》/ リッチャレッリ ドミンゴ カラヤン ウィーンフィル他
絢爛豪華、しかも緻密微細。 リッチャレッリ、ドミンゴ、ヘンドリックスをはじめとする歌手達も素晴らしい。 でもここでの主役はカラヤンとウィーンフィルでしょう。 ...続きを見る
一年365枚
2006/11/17 18:36
ショスタコーヴイッチ 交響曲第10番 / カラヤン ベルリンフィル(1980年代?録音)
ここでも、本気のカラヤン&ベルリンフィルが聴けます。 もし、この曲お聴きになったことがなくて、しかも全曲が長すぎて取っ掛かりが悪いと思う方は、第2楽章から聴いてみてください。大装備の軍隊の急襲のような迫力に、心臓が止まりそうな衝撃を受けると思います。 ...続きを見る
一年365枚
2006/11/26 21:23
光苔
どうも飛行機は苦手なのだが、札幌で講演を引き受けた手前、乗らないわけにはいかない ...続きを見る
ひらつか日記
2009/03/04 21:26

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
シベリウスの交響曲、図書館にやたらカラヤンのばっかりあるんですよ。でも、絶品なんですね。よかった・・・これで今度安心して今度借りてこられます。
きょうは「トォネラの白鳥」や「悲しきワルツ」の収録されたアルバムを借りてきました(もちろん、garjyuさんやダンベルドアさんの記事やコメントに触発されてですが・・・^_^;)
うるる
2006/07/16 00:58
うるるさん、今の耳にはゴージャス過ぎるという人もいるかもしれませんが、私は、カラヤンのシベリウス大好きです。吉松師も大推薦してます。

garjyu
garjyu
2006/07/16 01:23
こんにちは。
garjyusanのこの記事、そして仮説は参考になります。私も実は同じようなことを感じております。
カラヤンの記事はこれから聞いて記事を書くつもりです。
ダンベルドア
2006/07/16 14:05
ダンベルドアさん、
仮説はちょっと“悪乗り”で書いてみました。
カラヤン=“長嶋”説、個人的には気にいっているんですけど・・。

garjyu
garjyu
2006/07/16 15:31
ベルリンフィル100周年コンサートでの《英雄》は、確か衛星放送(?)で録画したものを撮ってあります。かなり気合の入った演奏と記憶します。また聴きたくなりました。
吉田
2006/07/16 21:01
こんにちは。カラヤンのエントリーご苦労様です。仮説もね。

一度しか録音しなかった曲目に、その理由を思うと興味あるんですよね。
アラブの富豪だかがスポンサーになって録音されたバラキレフの交響曲なんてのもあるし。
これは聴いたことないんだよね、まだ。

カラヤンのシベリウスは、私も好きですね。
カラヤン色に塗りつぶされてますけど、1980年代初めの1番と2番なんて、ちょうどクラシック音楽を聴き始めたころのことでもあり、繰り返しLPで聴いてました。カラヤンがどうのというより、シベリウスの音楽を聴きたかったんですけどね。

晩年のソニーへの映像収録は、どうなんでしょうね。結構な量が残されているはずなんだけど、値段が高くて購入できず鑑賞もしてないんだ、これが。
miwaplan
2006/07/16 22:26
吉田さん、
コメントありがとうございます。
《英雄》は、まさに“天覧試合”の大ホームランです(古いですね。)

garjyu

garjyu
2006/07/17 01:17
miwaplanさん、
>アラブの富豪だかがスポンサーになって録音さ>れたバラキレフの交響曲

それは、面白いですね。“おもちゃの交響曲”なんてのはユニセフから頼まれた・・とかあったりして。

garjyu
garjyu
2006/07/17 01:19

コメントする help

ニックネーム
本 文
シベリウス 交響曲第7番 / カラヤン ベルリンフィル 一年365枚 2017/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる