|
こんなにも厳しい曲の、張り詰めた、しかも美しい演奏。“こんなもの”をずっと聴いていたら、人間どうにかなってしまうかもしれません。 これは、アルバン・ベルクの音に潤いがある(流石ウィーンの弦)がゆえに許され得るのですが、それを差し引いてもこの緊張感は凄まじいです。しかし、この演奏を一度味わってしまうと、他の演奏が物足りなく思われるでしょう。これは唯一無二(その後ライブの再録音もあり、私は未聴なのですが、この演奏を聴いてしまうと、・・聴かずに良く言うよという話はさておき・・、緊張感でこれにすぐるものとは思えません。)の絶対の演奏だと思います。というか、曲がアルバン・ベルク向きなのかもしれません。まず、どこをとっても“非のうち所がない”歌と美しさ(ときどき聴こえる明るい旋律は、哀しさを引き立てる調味料にも思えます。)に満ちていながら、哀しく厳しく激しい。 例えば、ベートーヴェンの第5交響曲のように、この曲には“明から暗”への解決がありません。“重から軽”という図式はあるかもしれませんが、決してそれで救われはしない。第1楽章の激しさ(しかもこれが、とてつもなくデモーニッシュでカッコ良いのです。)、第2楽章の憂いに満ちた変奏曲(哀しくも美しさの極限を垣間見せてくれます。)、それが、第3楽章、第4楽章の軽い(2つの楽章だけを取り出して聴くとそんなに軽くはないのですが、それまでの2つの楽章と比べて)音楽でいわば解決を逃げている。バランスとしては極めて悪い曲かもしれません。でもシューベルトの孤独の魂はこの曲を書かざるを得なかった。ベートーヴェンさえ、書き得なかったこの悲哀と絶望と激しさに満ちた曲を、いわば、“未完成”にしてしまったのです(形としてはちゃんと終わっているんですけれどね。)。 でも私はこの曲のこの演奏を愛してやみません。多分、私の魂の中にも、シューベルトこの孤独に通ずる何かがあるのかもしれません。 聴くときは正座をして聴きます。皆に薦めるわけではないですが、孤独を愛する友人たちには是非聴いて欲しいです。 シューベルト 弦楽四重奏曲第14番《死と乙女》/ アルバン・ベルク四重奏団(1984年録音)@HMV 人気blogランキングへ にほんブログ村 クラシックブログ 音楽ブログランキングへ |
| << 前記事(2006/11/01) | ブログのトップへ | 後記事(2006/11/03) >> |
| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|---|
弦楽四重奏曲4枚♪ALBAN BERG QUARTETT
このごろ”オケもの”を聴く元気がないので、室内楽系に走る傾向が・・・。 というわけで、アルバン・ベルク四重奏団のCDのうち、シューベルトとベートーヴェンを2枚ずつ図書館でまとめ借りしてきました。 ...続きを見る |
Un Dia de Noviembre 2006/11/03 11:20 |
現代最高の弦楽四重奏団によるシューベルト(3) 〜シューベルト 弦楽四重奏曲第14番 「死と乙女」 ...
Schubert String Quartet No.14 "Death and Maiden" ...続きを見る |
DokuOh 〜独墺系クラシック音楽〜 2006/11/06 01:15 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
これ、以前私が聴いたものと同じですよね? |
うるる 2006/11/03 11:24 |
うるるさん、コメント.TBありがとう御座います。 |
garjyu 2006/11/03 11:30 |
こんばんは。 |
dokuoh 2006/11/06 01:11 |
dokuohさん、こんばんは。 |
garjyu 2006/11/06 19:31 |
| << 前記事(2006/11/01) | ブログのトップへ | 後記事(2006/11/03) >> |