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help RSS シューベルト 弦楽四重奏曲第14番《死と乙女》/ アルバン・ベルク四重奏団(1984年録音)

<<   作成日時 : 2006/11/02 23:59   >>

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こんなにも厳しい曲の、張り詰めた、しかも美しい演奏。“こんなもの”をずっと聴いていたら、人間どうにかなってしまうかもしれません。

これは、アルバン・ベルクの音に潤いがある(流石ウィーンの弦)がゆえに許され得るのですが、それを差し引いてもこの緊張感は凄まじいです。しかし、この演奏を一度味わってしまうと、他の演奏が物足りなく思われるでしょう。これは唯一無二(その後ライブの再録音もあり、私は未聴なのですが、この演奏を聴いてしまうと、・・聴かずに良く言うよという話はさておき・・、緊張感でこれにすぐるものとは思えません。)の絶対の演奏だと思います。というか、曲がアルバン・ベルク向きなのかもしれません。まず、どこをとっても“非のうち所がない”歌と美しさ(ときどき聴こえる明るい旋律は、哀しさを引き立てる調味料にも思えます。)に満ちていながら、哀しく厳しく激しい。

例えば、ベートーヴェンの第5交響曲のように、この曲には“明から暗”への解決がありません。“重から軽”という図式はあるかもしれませんが、決してそれで救われはしない。第1楽章の激しさ(しかもこれが、とてつもなくデモーニッシュでカッコ良いのです。)、第2楽章の憂いに満ちた変奏曲(哀しくも美しさの極限を垣間見せてくれます。)、それが、第3楽章、第4楽章の軽い(2つの楽章だけを取り出して聴くとそんなに軽くはないのですが、それまでの2つの楽章と比べて)音楽でいわば解決を逃げている。バランスとしては極めて悪い曲かもしれません。でもシューベルトの孤独の魂はこの曲を書かざるを得なかった。ベートーヴェンさえ、書き得なかったこの悲哀と絶望と激しさに満ちた曲を、いわば、“未完成”にしてしまったのです(形としてはちゃんと終わっているんですけれどね。)。

でも私はこの曲のこの演奏を愛してやみません。多分、私の魂の中にも、シューベルトこの孤独に通ずる何かがあるのかもしれません。

聴くときは正座をして聴きます。皆に薦めるわけではないですが、孤独を愛する友人たちには是非聴いて欲しいです。

シューベルト 弦楽四重奏曲第14番《死と乙女》/ アルバン・ベルク四重奏団(1984年録音)@HMV

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
これ、以前私が聴いたものと同じですよね?
この曲、この演奏を愛してやまないgarjyuさんの深い記事に私の軽い記事(しかも4枚分まとめて感想を書いている!)をTBさせていただきました。すみません。
当時、自称「アルバン・ベルグ党」のgajyuさんからコメント、TBいただいてましたね。

ちょっとクラシック離れ気味のこのごろですが、今夜あたり私もこれ聴いてみようと思います。
うるる
2006/11/03 11:24
うるるさん、コメント.TBありがとう御座います。
人の感じ方はそれぞれだと思いますが、この曲のこの演奏の気迫は、真剣に聴くほど伝わってくるものだと思います。最初の2楽章が肝と思っています。

garjyu
garjyu
2006/11/03 11:30
こんばんは。
生意気なコメント、御容赦願います。ABQの死乙女は緊張感は素晴らしいですが、私にはヒステリックすぎるのです。昔は私もこの演奏の虜でしたが、今はいまいち。というのもアウリンSQの唯一無二の演奏に出会ってしまったからです。緊張感と美しい歌を完璧に両立させた演奏です。garjyuさんの記事に否定的な記事で申し訳ないですが、あえてTBさせていただきました。機会があったら是非ともお聴きなってください。
dokuoh
2006/11/06 01:11
dokuohさん、こんばんは。
>生意気なコメント、御容赦願います。
いえいえ、最近、素直に人の意見を聞く様にこころがけておりますし、ほかならぬdokuohさんのお話ですから信頼申し上げております。
それに、昔dokuohさんがABQの演奏を好きだったというのはポイントだと思います。普通なら、その曲に対する嗜好というのは、最初に好きになった演奏というものに左右されてしまうように思います。それを超えて、dokuohさんが、唯一無二といわせるとは、これは聴かずばなりますまい。
情報ありがとうございました。

garjyu

garjyu
2006/11/06 19:31

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