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zoom RSS 静かな緊張の受難劇。ペルト《ヨハネ受難曲》 / ヒリアー ヒリアード・アンサンブル

<<   作成日時 : 2009/04/04 19:34   >>

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静謐の求心力。

リン・ドーソン(S)
ヒリアード・アンサンブル
ポール・ヒリアー(指揮)

今年は4月10日が聖金曜日ということなので、今日から一週間“受難曲”と呼ばれる作品を中心に聴いていきたいと思っています。

さて、私が受難曲の大代表作たるバッハの《マタイ》、《ヨハネ》の両曲の世界に嵌り始めた頃、どなたかが、信仰の対象である人物(=後に復活して神になる人)が殺されるというショッキングな場面だけを取り出して、それを歌い、読み、信徒に聞かせるという宗教というのはキリスト教ぐらいしかないのではないか・・だから、受難曲は好まない・・ということを書かれているのを読みました。これは、自分にとってはショックなことでした。『これらの曲に圧倒的な魅力を感じるわたしにはサディスティックな面があるのだろうか・・。』。否定できない何かを感じました。確かに、群集たちがイエスを糾弾するとき・・、例えば『イエスでなくバラバを罷免せよ。』というときの音楽のなんとデモーニッシュでカッコ良いこと・・。煩悶しながらも、その音楽的魅力には抗しがたいものがありました。『これらの曲を聴くことは罪なのだろうか・・。だとしたら、敬虔なプロテスタントだったバッハという人はなぜにそれにこんなに求心力のある圧倒的な作品を書くことができたのだろうか。』
その後、色々自分の中で考えた結論は、我々は“おろかな群集”に過ぎないけれども、人間の汚い部分をイエスという人が全部引き受けてくれたことによってそんなおろかなものたちも、信仰することを許されたのだ・・という答えでした。その“出来事”に含まれる真理は宗教の壁を超えていると思っています。私はキリスト教徒ではありません(あまり“敬虔ではない浄土真宗の人”であります。)。しかし、人知をこえた神の存在を信ずる一人として、どんな人間にも信仰を許したもうたイエスという人の物語を咀嚼することによって、受難曲を聴き、感動することに罪の意識を感ずることがなくなりました。

だいぶ話がそれましたが、このペルトの《ヨハネ受難曲》(正確には PASSIO DOMINI NOSTRI JESU CHRISTI SECUNDUM JOANNEM というらしいです。)、私が本格的にバッハの受難曲を聴きだす前に聴きました。確かECMのペルトシリーズの3枚目で、それまでの2枚があまりに素晴らしかったので、発売したてですぐ手にいれたと記憶しています(録音が1988年ということなので、もう20年も前なんですね。)。ただ、それまでの2枚と違って、あまりにも長い、1枚で1曲 70分。しかも冒頭の悲痛なコーラスと最後の天に召されるイエスを祝福するような美しいアーメンをのぞけば、ほとんど朗唱のような起伏のない音楽をすぐに“好きだ”・・とはならなかったのです。むしろ、ここから、私自身の“一時のペルト離れ”が始まったと言えます。
しかし、対訳を見ながら、バッハの《ヨハネ受難曲》をかなり真剣に聴きこんだ↓
 http://garjyu.at.webry.info/200604/article_18.html
後にこのCDを聴き直してみると、言語(バッハはドイツ語、ペルトはラテン語を使っています。)は違っても、人の名前などの“音”からの手がかりから物語が“見える”ようになってきて次第にこの曲の魅力に目覚めて行きました。ペルトの少ない音数の中での、静謐だけれども雄弁な音楽・・それは単に癒し系というには深く心に切り込んでくるものです。
バッハの劇的なそれと外見は違うけれども、その緊張感はそれに拮抗している《ヨハネ受難曲》。ヒリアード・アンサンブルの演奏もECMの録音も大変美しいです。ドーソンのソプラノのものが聴きものなのは言うまでもありません。

ペルト《ヨハネ受難曲》 / ヒリアー ヒリアード・アンサンブル

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