一年365枚NEO 2017

アクセスカウンタ

zoom RSS “一人称”の間奏曲に絶句。ハイドン 十字架上の最後の7つの言葉 / ブリュッヘン

<<   作成日時 : 2009/06/21 15:17   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

画像


現代音楽的手法の痛々しい『間奏曲』が、当曲演奏に新たな可能性を見出させました。

・ハイドン:十字架上のキリストの最後の7つの言葉 Hob.XX-1
(管弦楽版。ロン・フォード作曲「間奏曲」付き)

序章 Maestoso adagio
第1ソナタ 「父よ!彼らの罪を赦したまえ」 Largo
第2ソナタ 「おまえは今日、私と共に楽園にいる」 Grave e cantabile
第3ソナタ 「女性よ、これがあなたの息子です」 Grave
第4ソナタ 「わが神よ!何故私を見捨てたのですか?」 Largo
第5ソナタ 「渇く!」 Adagio
第6ソナタ 「果たされた!」 Lento
第7ソナタ 「父よ!あなたの手に私の霊を委ねます」 Largo
地震 Presto e con tutta la forza

18世紀オーケストラ
フランス・ブリュッヘン(指揮)
2004年11月、ユトレヒト(オランダ)&ライデン(オランダ)でのライヴ録音


“イエス受難”のクライマックス、磔刑の場面。そして、そこで文字通り超人的な意志のもとに語られるイエスの言葉
http://blog.goo.ne.jp/goo1639/e/fc249c4474133961451414ce411059d0 )。芸術家としての衝動がこのような題材に触発されるの理解できますね。ハイドンだけでなく、古くはシュッツ、新しくはグバイドゥーリナ、マクミランなどまでもがこの題材を音楽化しています。しかし、序奏を含めた8つの緩やかな楽章とイエスの死とともに訪れる“地震”を表したプレストの終曲。そう、一曲、一曲が素晴らしい曲だとしても、緩・緩・緩・緩・緩・緩・緩・緩・急という構成で緊張感をもって全曲を最初から最後まで聴かせるのは少し考えるだけでも難しいというのが分かります。しかも“言葉”の曲なのに、言葉を持って語られない(オラトリオ版というのがあり、そちらでは“言葉”が歌われます。演奏効果は管弦楽版より比較的容易に得られるように思います。)もどかしさ・・。

しかし、そんなこの曲を偏愛している指揮者もいます。リッカルド・ムーティはベルリンフィルとスタジオ録音(名演です。Towerで手に入りやすくなっているようです。http://www.towerrecords.co.jp/sitemap/CSfCardMain.jsp?GOODS_NO=1810515&GOODS_SORT_CD=102)を、ウィーンフィルとはライヴ録音を、スカラフィルと映像作品を残し、この曲の啓蒙活動にいそしんでいる・・というか、大好きというか・・、ライフワークとしているのでしょうね。しかし、ムーティのような人気も実力もある指揮者が肩入れしても、やはりなかなか一般的な人気を得るにはいたっていないのが現実だと思います。

そんな『最後の言葉(管弦楽版)』界に、ピリオド・アプローチ + 現代的な『間奏曲』付き(ブリュッヘンがロン・フォードへ委嘱)をもってブリュッヘンが挑むというので、期待を持って迎えました。ハイドンの中に現代音楽が現れるようなこの演奏、1回限りの上演でならまだしも、CDにしてしまって良いのか・・ということで全面的に賛成を持って受け入れられるかどうかは分かりませんが、私はとても興味深く聴くことができました。オラトリオ版で“4つ目の言葉”と“5つ目の言葉”の間に設けられた序曲(オラトリオ版に編曲される際に追加されたナンバー)の冒頭のフレーズを元にしたと思われる、イエスの苦痛を一人称的に(イエスの立場で)表現するロン・フォードの『間奏曲』、“曲”というほどには“曲”にはなっていない(要するに、それぞれがとても短い)ところから、その衝撃的な音響の割には全体の構成に対して邪魔になっていないです・・というか、ブリュッヘンの気合の入り方といい絶妙の間合いを作っていると思います。

今後この版で演奏する人は、たくさんは出てはこないでしょうし、誰も彼もがブリュッヘンのようにうまくさばけるとは思いませんが、この曲の演奏に際してのひとつの可能性として『間奏曲』付き版、検討に値するものではないでしょうか。不遜ではありますが、私が指揮者だったら、質の良い合唱団との共演が出来るのであればオラトリオ版を、そうでなければこの『間奏曲』付き版を選択して上演したいと思います。

ああ、書くのを忘れていましたが、最後の終曲“地震”はブリュッヘンらしいデモーニッシュかつエモーショナルな名演でありましたな。

ハイドン 十字架上の最後の7つの言葉 / ブリュッヘン 18世紀オーケストラ @HMV

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
“一人称”の間奏曲に絶句。ハイドン 十字架上の最後の7つの言葉 / ブリュッヘン  一年365枚NEO 2017/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる