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zoom RSS 精緻にして柔和。シューベルト 交響曲第9番『ザ・グレート』/ ヴァント ミュンヘンフィル

<<   作成日時 : 2010/12/14 00:25   >>

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一点一画もおろそかにすることのない、とても立派で偉大な演奏なのに、同時に親しみやすさも感じます。

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・シューベルト:交響曲第9(8)番ハ長調 D.944『グレイト』
 
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
ギュンター・ヴァント

1993年5月28日、ミュンヘン、ガスタイク


年末だから第九を聴かなきゃね!
よし、第九のCDはと・・。あったあった。
CDプレーヤーにセット、スタートっ。
始まりはppで静かに始まるんだよね。
あれっ、ホルンが明るいメロディ吹き出したよ、なんかおかしいなあ。

・・これ、グレートじゃないか!(わざとらしくないかい?)


シューベルトの交響曲、昨今は、全部で8曲しかないことが明らかになったとかで、『未完成』を7番、この『ザ・グレート』を8番とするようになりましたが、いけませんねえ。ベートーヴェン以来、大作曲家は“第9番”と称する交響曲(必ずしも9番目である必要はない。)を書いたら死ぬ・・というジンクスがあるんですから。シューベルトさんにもそれを守っていただかないことには困るんです。
というわけで、どんな偉い人がなんと言おうが、この『ザ・グレート』は、シューベルトの“第九”なのだ。


・私にとってのデフォルトというか、この曲の刷り込み盤は、ジュリーニがシカゴ響を振ったもの。それは威風堂々とした大名演ではあったのだが、少し困ったところがあった。
第1楽章の序奏から主部にかけて、通常の演奏が加速をかけて突入していくところ、ほとんどテンポをかえず、堂々とゆっくりとしたテンポで突き進んでしまう。それが、堂に入っていて、スケールの大きさを感じさせるこの名演奏のひとつの大きな要因でもあったわけだ。
しかし、これになれてしまうと、他の演奏が姑息に思えてしまうという副作用もあるわけで、長い間、ジュリーニ盤以外受け付けないということになってしまった。

・ヴァントが主兵の北ドイツ放送響を振ったこの曲の録音の抜粋(第1楽章)を、海外の雑誌(Classic Music Magazine だったろうか?)の付録で聴いたことがあった(当時は、レコ芸に付録のCDはついていなかった。また、今のレコ芸の付録CDよりも、収録曲それぞれの収録時間も長く、十分演奏の雰囲気を伝えるものだった。)。
一聴、オケの音は格調高く、それは立派だった。当時は、日本であまりヴァントヴァントと騒いでいる人はいなかったので、これは凄い指揮者 + オーケストラのコンビを発見(私、それ以前にケルン放送響とのブルックナーの交響曲のLPは2枚ほど持っていたのだが)思ったものだ。
しかし、同時に、アチェランド(加速)や、クレッシェンドの仕方が、どうも機械的でしっくりこないのを強く感じた。まるで分度器や定規で計って、製図用具で、正確に傾斜をつけていったみたいなのだ。ブルックナーの5番ならまだしも、シューベルトでこれはないのでは。
ということで、抜粋を聴いただけで、結局、この盤そのものを購入することはなかった。

・今宵聴いたのは、その因縁のヴァントが、当時チェリビダッケ統治下にあたミュンヘンフィルを振ったもの。

・オケの音は(この録音で聴くにおいて)とても柔らかい。なんとなく、上述、剛毅な印象の北ドイツの演奏が頭に残っていたので、ちょっと意表をつかれた感じ。
朝靄のむこうから聴こえるようなホルン、純朴な木管、木目の暖かさを感じる弦、素晴らしい。オケがチェリビダッケとつちかった財産だろう。

・テンポは遅すぎず早すぎず(チェリビダッケとの演奏はよく知られているように、ずっとずっと遅いから。)。ゆとりをもって十分音を鳴らせ、しかもリズムが生きるような絶妙なテンポ設定と言える。アチェランドやクレッシェンドもとても自然。例の第1楽章の序奏から主部にいたるところも、私の固定観念、“ジュリーニの呪縛”を完全に解き放ってくれた。

・チェリビダッケやヴァントの演奏の共通する特徴のひとつは、重層的に同時になっている音に対しての目配り。伴奏、主旋律のほかに裏でなっているさりげないフレーズを、あまり訓練されていない耳にも、分かりやすく届けてくれる。だから、同じ曲でも、チェリビダッケ、ヴァントの演奏は新鮮に聴こえるのだ。
ここでも、単に繰り返しが多いと思っていたものを、シューベルトは繰り返しのたびにさまざまな工夫をしていることを、この演奏は伝えてくれる。

・第1楽章は、明るく自然の懐の深さを感じさせてくれる音楽として、私はブルックナーの7番の交響曲のそれと同等のものと、日ごろから感じている。ヴァントは深い呼吸でこの曲の魅力を、余さず表現している。

・第2楽章では、よくチューニングされた木管群が魅力的。

・第3楽章、第4楽章は音楽的に前の2楽章より落ちると言われがちだが、リズムを生かした勢いのある、しかし急ぎすぎないこの演奏は充実している。

・録音は、自然な音場感がとても心地よい。弦の音は、ベルリンフィルのビロードのようななめらかさはないものの、ぬくもりのある艶消しの音色は独特な魅力。

シューベルト 交響曲第9番『ザ・グレート』/ ヴァント ミュンヘンフィル @HMV

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