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zoom RSS 黒く重い何かが動いていく。ヴォーン・ウィリアムズ 交響曲第9番 / バケルス ボーンマス響

<<   作成日時 : 2010/12/29 23:57   >>

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何か異様な雰囲気を持っているヴォーン・ウィリアムズの晩年の交響曲を聴いてみました。

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Ralph Vaughan Williams : Symphony No.9 in E minor

Bournemouth Symphony Orchestra
Kees Bakels

Sept.1996 Dorset, South West England


年末だから第九を聴かなきゃね!
よし、第九のCDはと・・。あったあった。
CDプレーヤーにセット、スタートっ。
始まりはppで静かに始まるんだよね。
あれっ、ちょっと違うぞ、なんかおかしいなあ。

・・えっと、これ誰の曲だっけ?

地味なヴォーン・ウィリアムズ(以下RVWと略します。)の曲の中でもさらに地味な交響曲第9番を聴いてみました。
前にも聴いたことがある筈ですが、全く覚えていなかったですね。ほとんど初めて聴いたようなものです。

さて、RVWの交響曲、私、意外に好きでして、世評の高い、田園交響曲(3番)、5番はもとより、映画音楽の転用やないかとあまり良い評価の得られていない南極交響曲(7番)、激しすぎて他のRVW作品と著しく作風の違う4番、6番あたりも良く聴いていたものです。そう考えると、初期の海の交響曲(1番)、ロンドン交響曲(2番)と晩年の8番、9番が、ちょっと穴だったなあ。

RVWの作風、私の勝手な印象ですが、シベリウスにブルックナーを足してフィヨルドやアルプスの威容の途轍もなさを差し引いた上で、上質な映画音楽的管弦楽法を加味したような感じだと思っています。
十二音とか無調とかのゲンダイオンガクではないので、本来聴きやすいはずなのですが、キャッチーなメロディがあまりないので、ポピュラーにはなりにくいんでしょうね。
管弦楽の鳴り方は、現在の模範的なもので、同時代のショスタコみたいに捻じ曲がったところがない、素直な感じのものだと思います。

あれっ、こう書くと、あまり面白い音楽には思われないかなあ。私は結構、嵌っているのですけれど。

で、今回は9番の交響曲でしたね。NAXOSのバケルス盤を聴きます。

・第1楽章
ppによる重く不安感いっぱいの冒頭。サックスの入った独特の音色が面白い。突如切り込んでくる弦の悲鳴、咆哮する金管。堂々の行軍。終結部ではppでヴァイオリン・ソロがハープにのり歌いだし、他楽器に受け継がれ、ゆっくりと消え入るように曲を閉じる。
こういった所作は全てゆったりとしたテンポで、大きな構図の中の出来事のように流れていく。
キャッチーなメロディは全くない。しかし、この謎めいた音楽にいつしか取り込まれていく。

・第2楽章
主部はハリウッド映画の異教の魔神殿の威容を表すような音楽。バス・ドラムが腹に来る。

・第3楽章
スネア・ドラムに導かれる諧謔的な音楽。デュカスの『魔法使いの弟子』やホルストの『惑星』の天王星に似ている。サックスのアンサンブルが面白い活躍をする場面があるが、そこだけ聴くとジャズのように思える。

・第4楽章
ppの謎めいた出だしから、ゆっくりとメロディらしいものをつむぎだそうとしていく。
明るいのか暗いのか、どこに向かっていこうとしているのか分からないまま、大きなテンポの変化もないまま盛り上がっていく。もう一段の盛り上がりの終結部は突然表れる。

・書けば書くほど面白くなさそう・・。いや、言ってしまおう、王様の耳はロバの耳。あまり面白い音楽ではない。
しかし、RVWの独特さが見事に出ている作品だと思う。
RVWは、マーラーでもショスタコでもないのだ。
面白いとは思わないけれど、RVWのゆったりした呼吸が私の生理にあっているのか、嵌ってしまった。あまり長くないので、何度も聴いてしまう。納得できないし、全体の構図が見えてこないのに、いらだつことはなく、音に身をゆだねることが快感になる。

・バケルスの指揮は呼吸が深くスケールが大きい。ボーンマス響はその指揮に応え好演していると思う。
このCDは、名曲 5番とのカップリングだが、そちらも素晴らしい。あえて大名演と言って良いと思う。
NAXOSのボーンマス響によるRVWの交響曲全集のうち、一部がバケルスの指揮。
以前に書いた田園交響曲も良かったし、それまで面白いと思ったことのなかった南極交響曲は、バケルス盤で初めて好きになることが出来た。一方、6番のような、俊敏性が要求される曲は、ちょっと切れ味が悪いとは感じたが。

ヴォーン・ウィリアムズ 交響曲第9番 / バケルス ボーンマス響@HMV

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