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zoom RSS グレートEMIレコーディングスより〜2。ブルックナー交響曲第4番『ロマンティック』 /テンシュテット

<<   作成日時 : 2011/06/16 00:25   >>

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血湧き肉躍る、ヒロイック・ブルックナー。

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ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調『ロマンティック』(ハース、1881年版)

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
クラウス・テンシュテット

録音:ベルリン、フィルハーモニー
1981年12月13,15,16日


バッハのカンタータ以外の記事久々になりますが、今日はテンシュテット指揮のブルックナーの4番について書こうかと思います。

テンシュテット、世評としては、20世紀を代表するマーラー指揮者・・ですね。エグリの効いた解釈と作曲者と作品への圧倒的な熱意及び共感をもって、マーラーの巨大かつ散文的・狂的な楽想を具現化してくれている演奏、私は録音でしかしりませんが、凄まじいものがたくさん残っています。
一方、ブルックナー演奏に関しては、そんなに積極的ではなかったようで、正規のセッション録音では、今回取り上げる4番以外に8番だけ。ライヴ録音ではこの2曲以外に3番があったように記憶しているくらいです。(録音は残っていないようですが、2番をベルリンフィルとの初顔合わせの折に演奏したようです。)
そもそも、(私の偏見もありますが)マーラー指揮者とブルックナー指揮者の二足の草鞋は両立しない・・ですからね。両方振る指揮者は、得意な方のスタイルを他方の楽曲にも反映させざるを得ないように思えます。

ということで、テンシュテットの振るブルックナーがマーラー風になるというのは予想通りではありました。しかし、それがネガティブな意味かというと、少なくとも、このベルリンフィルとの4番の録音に関して言えば、そんなことはない。とても興味深く聴き始め、どんどんのめり込み、最後の一音まで堪能致しました。

以下、ちょっと、箇条書きで思いついたことを・・。

・チェリビダッケやヴァントなど、建築士が使うような細いペンを用いた細密な筆遣いで、最終的に巨大な大壁画を目指すというのが、現代のブルックナー演奏のひとつの理想的な形だとすれば、ここに聴ける音楽は、太い筆で一機に仕上げる“書”の世界のように感じられた。
ブルックナーの音楽は、バッハを通り越してルネサンスのそれのように、重層的かつ並列的な音の動き、いわゆる対位法の綾が重要な要素であるから、油絵のように、べったり、メリハリなく音を重ねると、魅力が半減されてしまう。力強い太い線で音楽を作っていくテンシュテット、実際に聴く前は、油絵型のブルックナーになるのかと思ったら、ちょっと違ったのだ。
ひとつひとつの声部、フレーズの線は、確かに太いが、それぞれが、ザワザワ、ウゴウゴと、それぞれ別の生命であるかのように息づいていて、その存在を主張している。それらが、一斉に鳴らされるときの音楽の素晴らしく立体的なこと。なんか、無茶苦茶な連想かもしれないが、グールドの弾くバッハに似ているのではないかと思った。
チェリビダッケやヴァントが、余計なものを剥ぎ取って、透明さと静謐さの際立った音のブロックを積み上げていったのとは、別のやり方だけれど、これはこれで、ブルックナーとして“アリ”だ。

・とにかくオケを本気で鳴らしている(金管が際立って良く鳴っているが、弦も木管もそれに埋もれない。オケの全体の水準の高さゆえか。)。音が汚くなっても、多少音程が外れても気にしないといった風である。ダイナミック・レンジが狭く残響も少ない録音もあいまって、ベルリンフィルが、ここまで、美しくない音楽を奏でるのかなんて、思ったりもする。しかし、それが、独特の生々しさとなって、聴くほうに迫ってくるというのが、音楽の不思議さ(というと大げさか。)。

・テンポの動きはある方だろうが、大きな違和感はない。フレーズの求めるテンポに寄り添っているからか。また、効果としての“歌舞伎役者的決め”みたいなものがあまりないのも、意外な感じがした。
要所要所、猛進撃する箇所があり、そこは聴きもの。

・大自然の息吹、アルプスの大パノラマ、壮麗な建造物・・といった、いわゆるブルックナーというと通常連想されるような雰囲気はあまり感じられない。
むしろ、私は、中世騎士の英雄物語の方を想像した。
『田園』のような標題音楽に近いものを純音楽的に演奏していたのに、純音楽構造物たるブルックナーの交響曲に物語を感じさせてしまうテンシュテット、不思議と言えば不思議だ。

・聴き所は数々あれど、
1楽章の終結での盛り上がり。
寂しさと恰幅の良さがないまぜになった2楽章全部。
3楽章の鳴りっぷりと追い込み。木管楽器の合の手の鋭さ。
4楽章の構えの大きさ。
というのが、この演奏での私自身の好きなポイントか。

いやあ、しかし、本当に面白い演奏でした。聴いていてワクワクするということで言えば、私の知る限り、この曲においては最高のものかもしれません。

(2011.6.16.追記)
テンシュテットのブルックナー、ロンドンフィルとの7番のライヴ録音も残っていました。
あまりに、テンシュテットの芸風にそぐわないように思えたので、自分の記憶の中で、抹消してしまっていたようです。


クラウス・テンシュテット、グレートEMIレコーディングス@HMV



ブルックナー 交響曲第4番『ロマンティック』、第8番 テンシュテット@HMV




ブルックナー:交響曲第4番
EMIミュージック・ジャパン
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

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