一年365枚 2017

アクセスカウンタ

zoom RSS バッハ カンタータ第4番《キリストは死の縄目につながれたり》/ リヒター ディースカウ 他

<<   作成日時 : 2006/04/16 08:54   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 8

復活祭のために書かれたものであるにもかかわらず、イエスの受難を扱ったような歌詞、短いけれども悲劇的で胸の底に突き刺さるような曲調、“小受難曲”と言ってもよい、内容の濃い音楽です。

1 Sinfonia  
2 Christ lag in Todesbanden
3 Den Tod niemand zwingen kann
4 Jesus Christus, Gottes Sohn
5 Es war ein wunderlicher Krieg
6 Hier ist das rechte Osterlamm
7 So feiern wir das hohe Fest
8 Wie essen und leben wohl

バッハがカンタータを作り始めたのは、初期のミュールハウゼン時代からだったと言われています。
ただ、バッハの場合、その時、バッハ自身の持っている知識を総動員して、時代様式や環境(使える合唱団やオーケストラの人数、質)に合わせて、出来うる限り最高の曲づくりを目指すため、初期のものだから未熟で内容が薄いということは、ほとんどありません。その初期のカンタータの中でも、このBWV4は、ひときわ深刻で深い内容をもった曲です。

このカンタータ、ルターの復活祭用のコラールを全7節すべて使って、それぞれの曲が一つずつのコラール変奏曲として仕上げられているそうです。

冒頭のシンフォニア、こういう悲劇的な曲想でのリヒターの集中力は、彼の“受難曲”や《ロ短調ミサ》の演奏を引き合いに出すまでもなく、本当に見事です。まず最初の弦楽合奏が痛切な響きで始まるや、『ううっ。』とうなるしかありません。
このカンタータ、好きで色々と聴いてきましたが、この冒頭のシンフォニアだけは、ピリオド系では出せない、この“濃い味”の良さを超える演奏にはめぐり合えていません。

短いシンフォニアの後の、『イエスの死』を歌ったポリフォニック(多声音楽)な2曲目。合唱とオーケストラの絡みが悲しくも美しいです。3分20秒くらいからアクセルがかかったようにスピードを増し緊張感を煽ります。最後はぐっとテンポをおとし見得を切ったように終わります。バロック音楽で、こんなロマンティックで大胆なテンポ変化をつけて演奏しても説得力のあるのは、リヒターのセンスの良さと、真摯な音楽への態度あってはならではでしょう。

3曲目は天上のオルガンにのって、『死は逃れがたいもの。』と歌う2組の天使のような合唱が美しいです。
4曲目は、『イエスの死が、人々の罪を取り除いてくれた』と歌う、激しい弦の伴奏にのった力強い音楽。
5曲目も4曲目を受けたような内容の歌詞を、フーガで毅然と聴かせます。

6曲目はディースカウの深みのある歌声が見事なアリア。ゆっくりと、心に染み渡るようなバッハの音楽を、これほど説得力あるように歌えるのはさすがです。このカンタータ、この演奏の要ともいえる曲です。

7曲目はオルガンの荘厳なスタッカート音に導かれる『祝い』の音楽ですが、決して明るい音楽ではありません。“復活祭”が真摯な信仰心による“祝い事”であることを示しているかのようです。

8曲目は“生”のコラールですが、合唱は、本当に命をかけて歌っているようで、それだけでも感動的です。

本当に充実したカンタータです。20数分の中にこんなに内容が詰まった音楽というのも、そうないでしょう。また、このカンタータは、他のものと違い、レシタティーボで音楽の流れが止められないので、全編緊張感が途切れないで聴きとおせるということもいえるでしょう。

・“受難曲”や《ロ短調ミサ》は聴いたことがあるけれど、カンタータは何から聴いたら良いだろうと迷われている方
・140番、147番のカンタータは聴いたことがあるけれど、それ以外はご存知ない方
・また、バッハの器楽系は好きだけれど、“受難曲”や《ロ短調ミサ》などの声楽曲は敷居が高いと思っていらっしゃる方

などに是非、聴いていただきたいカンタータの大傑作の1つです。

ARCHIV 439368


ちなみに、ピリオド系演奏では、やはり、真摯な音楽作りが信条の、鈴木雅明/BCJの演奏が曲調にマッチした説得力のある名演だと思います(現在、着々と進行中の鈴木/BCJのカンタータ全集の第1巻目に収録されています。)。
ここでは、リヒターが合唱をつかった各曲でのコラール旋律も、それぞれソロや少人数の合唱で歌わせており、明晰さにおいてさにおいては、より優れているものといえます。また、神戸松蔭女子大学のチャペルでの録音も極上です。

BIS KKCC2195

人気blogランキングへ

にほんブログ村 クラシックブログへ

にほんブログ村 トラックバックテーマ 勝手に**の日へ
勝手に**の日

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
やられた!!(笑)  のんびりと日曜日の朝のお茶なんぞを楽しみながら、今日は復活祭だから、復活祭の第一祝日用に作曲されたこのカンタータにしようかな・・・なんて考えていたのですが・・・。  フォーレの室内楽を私に先取りされちゃった際のgarjyuさんの気持ちがよ〜くわかったような気分です(笑)。  う〜ん、こうなったら私は今日は何にしよう・・・・。
KiKi
2006/04/16 09:21
ちょっと『勝った(?)』って感じですね。

この曲、とても良い曲ですから、KiKiさんの“切り口”での、曲に対しての評価や推薦盤もお聞きしたいです。

garjyu
garjyu
2006/04/16 10:05
すっかり皆さん、まだバッハ漬けになっていたのですね。さすがです(^。^)まだ週間だから、それが普通なのかも。

昨夜は、私は一気に時代を飛んで、ラヴェルのピアノ曲を聴いて書いてしまいましたです^_^;
miwaplan
2006/04/16 10:41
miwaplanさん、

実は、『勝手に**の日』の企画以前から、ひそかに、聖金曜日は《ヨハネ》、次の土曜日《マタイ》、そして復活祭のこの日、このカンタータ第4番と、連続バッハを狙っていたのですが、“受難曲”はやはり重かった。《ヨハネ》一曲でもくじけそうになりましたが、皆さんに“公言”してしまっているので後には引けない・・。なんとかアップはしましたが、ほとんど、文章になりませんでした。ということで、土曜日に《マタイ》・・なんて無謀とあきらめた次第です。
来年は《マタイ》をじっくり聴きます。

garjyu
garjyu
2006/04/16 10:55
こんばんは。カンタータはバッハの美味しいところがてんこ盛りになった、もっとも素晴らしいジャンルだと思います。
リヒターの選集を買って聴いてからすっかりやみつきになりました。
いい曲が多いですがBWV198「侯妃よ、さらに一条の光を」などもとても素晴らしいと思います。
びーぐる
2006/04/16 21:46
びーぐるさん、コメントありがとうございます。
カンタータに関するお考え、私も、本当に最近になってですが、その通りだと分かりました。
私も、198番も大好きな曲ですが、リヒターの演奏はなかったですよね?ビーグルさんは、どなたの演奏がお好きですか?

garjyu

garjyu
2006/04/17 00:28
こんばんは!  garjyu さんに先を越されちゃったので、KiKi は別の曲にいってみました(笑)。  でも、この曲は KiKi も好きなのでそのうちに KiKi の Blog でも取り上げることになると思います。  その時には TB させていただきますね♪  
KiKi
2006/04/17 01:00
198は初めて聴いたのがレオンハルトのテレフンケン盤だったと思いますが、今の手持ちCDはガーディナーとリリングです。
びーぐる
2006/04/17 21:53

コメントする help

ニックネーム
本 文
バッハ カンタータ第4番《キリストは死の縄目につながれたり》/ リヒター ディースカウ 他 一年365枚 2017/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる