シューマン ピアノ協奏曲 / バレンボイム(p) チェリビダッケ ミュンヘンフィル

にほんブログ村 トラックバックテーマ 勝手に**の日へ
勝手に**の日

これは、ガップリ四つの横綱相撲。ライブの高揚感だけに流されない巨匠2人。
この演奏を聴いてから、他の演奏のCDが物足りなく感じるようになってしまいました。

チェリビダッケのことだから、『ことさら遅いのだろう。』とか『分析的なのだろう。』とかいう思い込みがあって、手に取ったアルバムでしたが、確かにややテンポはゆっくり目ではありますが、バレンボイムのピアノが、そのゆっくりなテンポの中をたっぷりと歌いこんでいたり、引っ込んでみたり。尊敬する大先輩指揮者ということで、チェリビダッケを立てているようにみせながらも、もう一人の指揮者も駆け引きで負けていないという面白さもあります。
ただ、全体としては、本当に、オケの音もピアノ(粒立ちが美しい)の音も立派で、グウの音も出ない大名演です。

ちなみに私、小学生の頃からクラシックを聴いておりましたが(ピアノ教育など受けていないのにたまたま、“コンサートホールソサエティ”のLPが家にあったのですよ。)、ピアノ協奏曲というのは、ピアノ付きの管弦楽曲=交響曲の1種だと思っておりまして、“オーケストラは伴奏なんだよ”という感覚が最初は分かりませんでした。この演奏を聴いて(決してバレンボイムがオケに負けているなんてことはないですが。)、その感覚を思い出しました。シューマンはオーケストレーションが下手なんていいますが、演奏が悪いだけではないかと・・というくらいオーケストラがホール一杯になり響いていて気持ち良いです。

もうひとつ余談で、皆さんにとっては、どうでも良いと思いますが、この曲の第1楽章が“ウルトラセブン”の最終回に象徴的に使われていたので、どうしてもその最終回の場面を思い出してしまいます・・ということをですね、秘蔵のネタとして書こうと思っていたら、miwaplanさんに先に、書かれてしまいショックでした。同世代、思い出の曲、思い出の場面は一緒でしたねえ。私、ウルトラセブンは再放送、“帰ってきたウルトラマン”がよりリアルタイムにみていたんですけどね(と少しだけ若いのを強調してみたりします。)。
それはさておき、やはり、この曲、第1楽章の出来が良いと思いますね。

第1楽章 最初のドンというオケ、ピアノの音からドスが効いてます。オーボエも艶消しですが美しい。そしてピアノのソロ。バレンボイムってピアノうまいですね(本職です!)。粒立ちがしっかりしていてffでもきたなくならないし、ppも良く通る音。録音のせいもあるかもしれませんが、バレンボイムのピアノはこれを聴いて、本当に見直しました。オケの伴奏も、一つ一つの音が均等に美しく聴こえるのに、良く混ざあっても聴こえます。これがチェリマジックですね。伴奏のフルートのハモリとか本当にきれいなんですから。
さまざまに、テンポや彩りも変えながら、オケとピアノの競演は続きます。この至福のときずっと続いて欲しい。
8分過ぎで最初のオーボエが戻ってくるところで、ほろリと・・(最近涙もろくていかんな。)。
9分30秒過ぎのヴァイオリンのオクターブ上でのメロディもハッとするほど美しいですね。
12分過ぎからのカデンツァ。ことさら技巧をひけらかそうとせず、曲をまとめる方向にもっていくのがさすが指揮者暦の長いバレンボイム。それでも彼のピアノ充分に美しいです。
15分過ぎからのコーダ、ウルトラセブンが最後の戦いで傷だらけになって、故郷に帰っていく。故郷に帰り着くだけのエネルギーはもうないかもしれない。
「さようならウルトラセブン、モロボシダン!」あっ、なんか、うわ言を口走ってしまったようで失礼しました。
堂々とした、終わり方の1楽章でした。

第2楽章 いつも眠くなってしまう2楽章ですが、森の妖精につれられて、森の奥を散歩していくようなファンタジーのようなピアノ。木管楽器も、チェロも良い鳴り方をしてますねえ。
アタッカで続く・・

第3楽章 まってましたというような幸せで華麗な曲想の3楽章です。バレンボイム少し、アクセントの取り方を極端にして独特の効果を出していますが、そんなに奇矯ではありません。このテンポだから出せる味ですね。オケとピアノの応答もいわゆる“阿吽”の呼吸というやつを感じます。バレンボイムはもうちょっと、走りたいかもしれませんが。3分過ぎのホルンの音もきれいですね。弦のフーガ風の部分もチェリならではの美しさ。
夢のように美しく華々しいピアノとオーケストラの饗宴・・最後のティンパニの轟き、ブラヴォーと拍手まで堪能させていただきました。

今夜は夢見が良さそうです。


EMI TOCE55517


皆さんの「勝手にシューマンの日」の記事まとめて読みたい方
        ↓
http://miwaplan.at.webry.info/200606/article_1.html

もしくは

にほんブログ村 トラックバックテーマ 勝手に**の日へ
勝手に**の日



人気blogランキングへ

音楽ブログランキングへ

にほんブログ村 クラシックブログ

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

2006年07月01日 01:11
こんばんは
>たまたま、“コンサートホールソサエティ”のLPが家にあったのですよ。

これって基本的には通販でしか手に入らないレコードですよね。シューリヒト/パリオペラ座のプラハもその頃から知っていたわけですね。

>第1楽章が“ウルトラセブン”の最終回に象徴的に使われていたので、どうしてもその最終回の場面を思い出してしまいます

garjyuさんもmiwaplanさんと同じネタご存知なんですね。結構TVみていてもクラシックの曲が思わぬところで使われていて、「あ、これは○○の何楽章だ!」なんてつぶやいて娘以外の家族には無視されています。

ところでチェリは「どうもまだぴんとこない指揮者」なんです。garjyuさんのおっしゃる「他の演奏のCDが物足りなく感じる」演奏を聞いてみようと思います。ありがとうございました。
2006年07月01日 01:48
チェリも一種の魔力を持った指揮者だと思いますが、生で聴いて思ったのは、意外に“エンターテインメント”であるというところです。
あまり神格化しないで、さらっと入った方が良いのかもしれません。
後、ゆっくりのテンポで、音の重なり具合を解きほぐす名人であるので、オーケストレーションが分厚く、多声的な音楽が聴き応えあるような気がします。はじめ、私もチェリのブルックナーは苦手だったかもしれません。

garjyu
miwaplan
2006年07月01日 11:49
こんにちは。すみません、「セブンネタ」で重なってしまって。でも、この曲だと、どうしてもあの印象が強くてねえ。恥ずかしいけど。

チェリビダッケは、サントリーホールで1回だけ、ブルックナーの第7交響曲を聴けました。
ステージすぐわきの席だったから、チェリビダッケの指揮姿を横からずっと見てましたね。

アノ場にいると、録音で聴くような印象が薄れて、ごく普通のバランスやテンポに思えました。まるで儀式に参加しているような雰囲気に呑まれてしまうのかもしれません。

私、結構チェリビダッケのCD集めてますよ。亡くなってから発売されたEMIとDGのボックスも、怪しいのも。全てを聴いてはいないけど、中には「これは!」と思う演奏や「これは?」というのもあるしで、やっぱり怪しい指揮者です。

どちらかというと、シュトゥットガルト時代に私好みの演奏が多いかもしれません。
my favorite stories
2006年07月02日 14:36
 garjyuさん、こんにちは。ピアノコンチェルトですか。きれいな曲をお選びになられましたね。garjyuさんがお書きになったピアニスト、私はしりませんでした。聴きたくなりました。私のは、リヒテルの盤で、グリークと一緒になっています。幅広く聴いてみないと・・・痛感させられました。それでは又、失礼致しました。
2006年07月02日 18:46
>miwaplanさん、
結局、チェリのブルックナーの生は聴けませんでしたね。私はミュンヘンの方の録音は全部もっています。シュトゥットガルトまでは、予算が回りませんでした。それでも何を聞いても、何かプラスがある演奏(感動も含め)ばかりだと思っています。

garjyu
2006年07月02日 18:48
>my favorite storiesさん
リヒテル+マタチッチ盤ですね。それも私の愛聴盤です。グリークの方を良く聴きますかね。

次回のカラヤンについてもご参加お待ちしています。

garjyu
KiKi
2006年07月03日 20:43
こんにちは♪  遅ればせながら皆さんの「勝手にシューマンの日」エントリーにお邪魔させていただいています。

なるほど~、garjyu さんはPコンで来ましたか!  で、チェリ&バレンボイムですか。 この組合せでは聴いたことがありませんね~。  って言うか、実は KiKi はピアニストとしてのバレンボイムは実はあんまり好きじゃなかったりして(ごめんなさ~い)、どうもバレンボイムのピアノは避けて通る癖がありまして・・・・ ^^;  でも、チェリとの組合せかぁ。  ちょっと興味ありますね~。  今度図書館で探してみることにしますね♪ 
2006年07月04日 00:20
KiKiさん、
逆のケースはあまりないのですが、あまり好きでなかった演奏家が、何かのきっかけで、突如大好きになったりすることがあります。
私、バレンボイムは指揮も、最初苦手だったのですが、TV(多分べルリンフィルを振っていたと思います。)でエロイカを聴いて、コペテンしてしまいました。その後、弾き振りのベルリンフィルとのモーツアルトのピアノ協奏曲も愛聴してます。

garjyu
カシュカシュ
2007年04月10日 18:08
こんにちは。TBさせていただきました。よろしくお願いします。
2007年04月10日 18:49
カシュカシュさん、了解しました。
カシュカシュ
2007年04月15日 23:01
こんばんは。
2度のTB承認ありがとうございます。
ところで、相互リンクしていただけないでしょうか。
私のブログのURLはこちらです。

http://hannnyasingyou.blog.shinobi.jp/
2007年04月16日 05:50
カシュカシュさん、
>ところで、相互リンクしていただけないでしょうか。
喜んで、お願いいたします。これからもよろしくお願いいたします。

この記事へのトラックバック