真摯にして前向きな祈り。ラフマニノフ 晩祷 / ヒリアー エストニア・フィルハーモニー室内合唱団
名曲に新たな名演。
1 Come, let us worship
2 Praise the Lord, O my soul
3 Blessed is the man
4 O gentle light
5 Lord, now lettest Thou
6 Rejoice, O Virgin
7 The Six Psalms
8 Praise the name of the Lord
9 Blessed art Thou, O Lord
10 Having beheld the Resurrection
11 My soul magnifies the Lord
12 The Great Doxology
13 Troparion: Today salvation is come
14 Troparion: Thou didst rise from the tomb
15 O queen victorious
このCDはprimex64さんのご推奨↓を受け購入しました。
http://musicarena.exblog.jp/10026446/
primex64さんもその記事で書かれていましたが、私も長年ロバート・ショウの名盤↓
http://garjyu.at.webry.info/200609/article_13.html
を愛聴してきました。それは、おおらかにして敬虔な祈りに満ちた、素晴らしく感動的な名演です。
一方、このポール・ヒリアー指揮するところのエストニア・フィルハーモニー室内合唱団盤は敬虔さにおいては同じくするも、より生き生きとアグレッシブに神に祈りを捧げています。テンポも速く、フレーズによっては歌うというよりは語り聴かせるようなところもあります。1曲、1曲考え抜かれた表現をとり、ロバート・ショウの全体を同じような風合いで統一感を目指したものよりも、濃厚な音楽空間を築いていると言えます。しかし、残響をともなった録音の美しさも幸いし、トゲトゲしいところは皆無。
この2枚の名演奏に甲乙はつけられません。
夜、祈りを捧げながら眠りにつきたいのであればショウ盤を、スピーカーの前に座り、おのおのの曲の素晴らしさをもう一度確かめながら聴くのであればこのエストニア・フィルハーモニー室内合唱団盤を取ります。
この曲の1枚目に購入されようとしている方にも、比較的速いテンポで、全体の構造が捕らえやすいエストニア・フィルハーモニー室内合唱団盤が良いかも知れません。
蛇足ですが、このCDを最初に聴いたときは、冒頭の超低音の男性の朗唱とテノールの応唱に『これは購入したCDを間違えたか?』とびっくりしました。その後に、あの素晴らしい“Come, let us worship”のハーモニーが、幾分速めのテンポでひときわ美しく流れてきたところで、ジワッと涙ぐんでしまった私でした。
ラフマニノフ 晩祷 / エストニア・フィルハーモニー室内合唱団 ポール・ヒリヤー@HMV
この記事へのコメント
ポール・ヒリアー版、ぜひ聴いてみたい。今欲しいCDのトップリストになってしまいました。
凄く好きなのに、CDは1988年のPolyansky指揮ver.しか聴き込んでいません。garjyuさんのこの記事を読んで、イロイロ聴いてみたい病にうなされそうです・・・
私もいくつかこの曲を聴いた後、ショウ盤で決定と思い他のCDは処分してしまいました。しかし、ポール・ヒリアーのこれはショウ盤とともに宝物になりました。
ポリャンスキー盤も名盤との評判高いですよね。私も今度はポリャンスキーのも聴いてみようかな。
ところで、もし宜しければ相互リンクを張らせて下さいませんか?
>もし宜しければ相互リンクを張らせて下さいませんか?
こちらこそ是非お願い致します。
で、ヒリアーのが出たのですか?ここの合唱団も純度が高いので確かによさそうですね!
これは、目から、いや耳から鱗の名盤です。ピースうさぎさんならご納得いただける演奏かと思います。