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zoom RSS 現代音楽?いやバッハですよ。 バッハ《音楽の捧げ物》/ ケーゲル ライプツィヒ放送響

<<   作成日時 : 2008/04/14 10:59   >>

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シュールなフリードリヒ大王の主題をめぐる、クールな音楽作品の、冷たくも興奮させられる稀有の名盤です。

・ヨハン・セバスチャン・バッハ:音楽の捧げ物
 王の主題による5つのカノン(デッサウによる編曲版)
 6声のリチェルカーレ(ヴェーベルンによる編曲版)

 ジェルジ・ガライ(Vn)
 ヘルガ・ロッチャー(Vn)
 ペーター・クリュグ(Vc)
 ハインツ・フグナー(Fl)
 フリッツ・シュナイダー(オーボエ・ダモーレ)
 エルヴィン・クレツマー(Fg)
 トーマス・ヴュンシュ(ヴィオラ・ダモーレ)
 エルノ・クレポク(ヴィオラ・ダモーレ)
 ハイニ・フォーグラー(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 ベルトラム・バルト(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 ウォルフガング・ウェーバー(Vc)
 ハンス・ヴェルナー(Vc)
 ディーター・ツァーン(Bs)
 アマデウス・ヴェーバージンケ(フリューゲル・ピアノフォルテ、通奏低音)
 ライプツィヒ放送響
 ヘルベルト・ケーゲル(指揮)

吉松隆のホームページの音源倉庫的別館=『代々幡村音楽館』については何度かご案内させていただいておりますが、とくに、以前から気になっていたモノ・ドラマ(一人の語り手+器楽アンサンブルの“オペラ”か“コント”のようなもの)シリーズがアップされているのはうれしいところです。何せ、CDやDVDにはなりそうもない、とてもマニアックなものなんですよ。吉松の台本によるこれらの作品、語り手の丹羽勝海(不勉強にして、どのような活動をされている方は吉松のホームページに書いてあることくらいしか知らないのですが。)の語り口に思わず吹き出してしまいそうになります。
そのモノ・ドラマシリーズの最新アップ作品が、昨日紹介した『コンポーザー氏の憂鬱』。現代(の)音楽の作曲家を茶化したような、もしくは吉松自身へ向けたような、自虐的なギャグと中川昌三のフルートの演奏が秀逸なのでした。
その『コンポーザー氏の憂鬱』の中で、フルートで吹かれる印象的な旋律・・どこかで聴いたような。シェーンベルクだっけ、ベルクだったけ。いやバッハの《音楽の捧げ物》の素材になったフリードリヒ大王の《王の主題》そのものではないですか。その昔NHK-FM「現代の音楽」の時間のテーマ曲として使われていたらしいです。『ある年代以上の人は、これを聴いただけで「現代音楽」を思い出す。』ということで、引用されたのです。

それにしても、フリードリヒ大王という人は、自分でもフルートを吹くような音楽好きだったらしいですが、余程音楽的インテリジェンスがすぐれていたのか、もしくは逆に音楽的素養に全く欠けていたのか、とても、彼らの時代には考えられないのような、斬新な半音階的主題を提示し、『この主題をつかって、即興演奏せよ。』などとバッハにお命じになっちゃったわけです。一応、大バッハですから、そこではそれなりの即興演奏をしたらしいのですが、どうも、大王の主題があまりに奇抜なので、バッハ本人はその出来に納得しなかったようです。ゆえ、その後、宿題ということで、2回に分けてさまざまな技法(フーガ、カノン)での作品集を大王に再提出しているのです。それが《音楽の捧げ物》全曲。
しかし、この“曲集”、どのような楽器で、どのような順番で演奏されるのかが明記されていないのです。

華やかさのない渋い旋律を並べたり、重ねたり、ひっくり返したりしたものを小一時間も聴きとおすのは、実は私、苦痛で、CDを持っていても最後まで聴きとおすことはありませんでした。どうせ、楽器も順番も指定されてないんだったら、面白い編曲とかしちゃえば良いのに・・(ウェーベルンの《6声のリチェルカーレ》編曲は、楽器間を旋律が行きかうシュールなもので、良いんですけどね。)と思っていたら、ヘルマン・ベルナーという人が校訂した新版(前半は室内楽っぽく、後半はパウル・デッサウという東独の作曲家やウェーベルンの《6声のリチェルカーレ》が続いている。)というのを、冷徹な氷の指揮者ケーゲルが演奏した録音が残っていた・・なんていうし、許光俊氏が絶賛なんかしているもんだから、発売と同時に買っちゃいましたよ(ずいぶん前ですけど)。

これは面白いですわ。
最初の主題提示をする、壊れたピアノのような音(これはフリードリヒ大王が所有していたフリューゲル・ピアノフォルテと同モデルのものを使って弾いたものだそうです。)、ここからいびつな、しかし直線の多い抽象画のような世界に入っていきます。最初は厳かに、途中からロマンティックに(合唱まで登場。)、そして、ウェーベルンの《6声のリチェルカーレ》で華やかに終わるのです。

バッハの同様な作品《フーガの技法》をめっぽう面白く聴かせてくれたムジカ・アンティカ・ケルンのものと同等の面白さでしたね。http://garjyu.at.webry.info/200701/article_19.html

《音楽の捧げ物》にいまいち魅力を感じていないというあなた、おひとついかがです?

バッハ《音楽の捧げ物》/ ケーゲル ライプツィヒ放送響@HMV

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コメント(4件)

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こんばんは。

この怪しい演奏、ずっと気になってました。だってケーゲルですよ、めちゃくちゃ面白そうですね。ああ、欲しくなってしまいました。
dokuoh
2008/04/17 23:24
dokuohさん、コメントありがとうございます。
そう、これは“面白い”音楽的好奇心をくすぐる演奏だと思います。
感動がこみ上げる・・とかとは違いますが、一気にこの曲を聴きとおせるという稀有な例だと思います。
garjyu
2008/04/18 06:32
NHK-FM「現代の音楽」!!よく聴いてました!懐かしい!高校生の頃でした。毎週日曜日夜11時から放送していたはず…30年前の記憶で曖昧ですが。オープニングとエンディングに使われていた、何やら不思議な響きのするオーケストラ作品。さすが現代音楽を紹介する番組、良い曲だなぁ〜、と思っていて、後にバッハの作品と知り、驚きました。番組で使われていたのは誰の演奏なのか?、とても知りたいです。
ふるる
2009/10/04 18:06
ふるるさん、コメントありがとうございます。
「現代の音楽」聴かれていましたか。私も何度か聴いた記憶があります。カッコつけて聴いてみたものの結局なんだか分からないものばかりでしたが、今の自分の音楽鑑賞の礎にはなったのではないかと、思ったりもしています。
garjyu
2009/10/04 22:29

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