夢幻の世界に誘われ・・。メンデルスゾーン《真夏の夜の夢》/ プレヴィン ロンドン響

聴くと自分が若返ったような気持ちにさせられる夢のような音楽、演奏です。
特に序曲はプレヴィンのセンスの良さが光っています。同曲の中でもピカ一の演奏(当社比?)だと思うなあ。

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・《真夏の夜の夢》序曲 作品21
・劇付随音楽 《真夏の夜の夢》作品61
スケルツォ
情景“丘を越え、谷を越え"
合唱付き妖精の歌 “お前たち、まだら模様のお蛇さん"
情景“魔法をかける"
第2幕と第3幕のあいだの幕間音楽
情景“ぶざまな田舎者どもが"
夜想曲
情景“魔法が解ける"
結婚行進曲
ファンファーレと葬送行進曲
ベルガマスク舞曲
情景 結婚行進曲
終曲“この館を"

リリアン・ワトソン(ソプラノ)
デリア・ウォリス(メゾ・ソプラノ)
フィンチリー・チルドレンズ・ミュージック・グループ

ロンドン交響楽団
アンドレ・プレヴィン(指揮)

1976年12月 ロンドン、キングズウェイ・ホール

メンデルスゾーンの一番有名な曲といえば、この《真夏の夜の夢》の劇伴奏音楽として作られた結婚行進曲でしょうかね。私自身は、メンデルスゾーンの名刺代わりの一曲は序曲の方だと思うんですが、CDで良く一枚になっていることが多いスケルツォ以下(もちろん結婚行進曲も含む)と序曲とは作曲時期が違い、作品番号も別だということはクラシックオタクの皆さまには言わずもがななことではございましょう。

とは言え、若いころに先に書かれた序曲に出てくるフレーズをうまく膨らませて関連性も持たせながら(本来は劇あっての音楽なのでしょうが、組曲のように音楽だけ)続けて最後まで聴いても全体として本当に齟齬なく纏まっているのは、流石メンデルスゾーン、うまいなあと思っちゃいますなあ。

というか、そもそもこの序曲が本当に凄い曲なんですよね。夏至の夜に立ち現れる幻想世界、妖精たちの戯れを、怪しくも楽しくほんの12分あまりで表し切ってしまっている。17歳にしてこの完成度、やはりメンちゃんって天才!

で、ここ最近メンデルスゾーンモードの私、これ(序曲単体でも、劇付随音楽付でもどっちでも良い)やっぱり取り上げたくなって、手持ちのCDを何種類か聴いてみたんですが、今一つしっくりこないかったんですよね。良く聴いていた英語セリフ付(劇ありというか、劇の方が主役なのかなあ。)のテイト盤も、序曲だけはどうも私の脳内で鳴っているものと少し違うんですね(カラヤン+ベルリンフィルの録音がないようで残念)。

この脳内デフォルトは何かと考えてみると、それはたぶん最初にこの曲(群)を意識して聴いたプレヴィン+ウィーンフィルのものだったみたい。今は処分(誰かにあげたか、BookOffか)してしまったみたいで、手元にないんですわ。困った困った。ということで、新宿Towerに行って買うことにしたんですが、店頭でロンドン響盤の方が安かったんで(いや、事前にロンドン響盤も評判はいいとは知ってましたよ。)、こっちの方買いました。

で序曲聴き始めたら見事に脳内演奏と一致。あまりに良いテンポと曲にあった雰囲気の音に、いつの間にか涙が出てきちゃいましたよ。こんな明るくて深刻さのひとつもない短い曲でオイラを泣かすとは、メンちゃんもプレちゃん(ちょっと言いにくい)やりおるのう。

テンポは速いけど速すぎず、羽毛のような軽さと透明さ、あとは諧謔味もありながら絶対に下品にならないという、塩梅は、意外に難しいバランスだと思いますね。オケもいわゆる上手くバリバリ弾けるだけではだめだし、指揮者も良いテンポをキープしながらも、オケを煽ったりしたらもうそれで終わりな感じです。
プレヴィンというのは、本当にセンスの良い人だったんですよね。ジャズとか映画音楽とかで培われたものなんですかね。昔のクラシック一辺倒の人よりひとつ垢抜けた感じがしますな。ロンドン響もとてもイイ。記憶に残っているウィーンフィルのものは弦とか木管とかオケのそれぞれの奏者のうまさを感じた(ような気がする)んですが、ここでは爽やかな雰囲気で、全体に突出せず曲の良さを引き出しているようです。

スケルツォや夜想曲など、有名な曲がいいのは当たり前。
少年合唱とソプラノ・アルトの独唱が入る妖精の歌と終曲の雰囲気の抜群なこと。

ただこの劇伴音楽を聴くときの問題は、結婚行進曲。演奏は当然いいんですけど、あまりにあまりに知り過ぎてしまった音楽なので、学校の父兄参観で席の後ろに親を見つけたときのような恥ずかしさを感じるのはいかんともしがたいですな。

録音はリマスターのおかげか、適度なうるおいと残響がとても良いと思います。


メンデルスゾーン《真夏の夜の夢》/ プレヴィン ロンドン響 @HMV




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この記事へのコメント

ポンコツスクーター
2014年10月04日 18:12
こんにちは。
プレヴィンの「真夏の夜の夢」はどちらも甲乙つけがたい演奏ですねえ。オリジナルはドイツ語なのかもわかりませんが、英語版のほうがしっくりくるので普段聴くのはロンドン響のほうです。
2014年10月04日 22:06
ポンコツスクーターさん、コメントありがとうございます。
プレヴィンという人は、クラシック一辺倒の人と違い、ときどき『凄い嵌っている。うまい。』と思うときがありますが、この曲はまさにそうなんでしょうね。

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